雪の高山をはじめよう! ピッケルとアイゼンが必要な雪山装備表(一般雪山用)

チェックリスト

雪山装備(一般雪山用)のチェックリストです。冬は冬眠してしまうなんてもったいない! 事前の準備で不安をなくして、心軽やかに雪山登山を楽しみましょう。

基本装備

ウェア

冬山装備

登攀的な装備



※上記の装備は日帰り、もしくは小屋泊での雪山の一般登山を想定しています。降雪量や気温、エスケープルートの有無などによっても必要とされる装備は大きく異なります。目的とする山の積雪状況や気温、気象情報はよく調べてからお出かけ下さい!

基本装備

冬用登山靴

ゴアテックスデュラサーモやプリマロフトなど保温材が入った雪山用登山靴。ダブルブーツ(2重靴)はより暖かいです。靴底がしっかりとしていて、アイゼンがしっかりと装着できるもの。サイズが小さすぎると冷えやすくなります。

ザック

余裕をもって装備類が入る大きさを。日帰り~1泊の小屋泊まりでで30~40㍑位を目安に。背面がメッシュでないタイプが雪がつきにくく、お勧めです。背中の長さが合った、ストラップなどによってバランスが調整できるタイプを。

ヘッドランプ

冬は日が短く、日帰りでも忘れてはならない装備。予備電池も用意しましょう。

サングラス・ゴーグル

雪の上での照り返しは、ことのほか強烈です。長時間にわたると目が火傷してしまう事も(雪盲)。

日焼け止め

日焼けした肌が健康の象徴だったのは昔の話。日焼けはヤケドですよ。お忘れなく。

水筒

寒いとき用のテルモス(魔法瓶)と、暑いとき用の水と、両方あったほうがベター。夏よりも脱水のケアが薄れがちですが、水分不足は血液循環を妨げ、冷えや疲れの原因になります。うっかり脱水に注意!

行動食

即効性のある炭水化物を中心に。具体的にはおにぎり、パン、飴、チョコ、せんべい、種抜き梅など。甘いものとしょっぱいもの、どちらもあった方が良いです。塩分不足は筋肉の痙攣にもつながってしまいます。ウイダーなどのゼリー飲料は高度の影響で食欲がない時や、疲れていても食べやすく、お勧めです。

地形図・コンパス

雪に覆われると、地形が分かりにくくなったり、道が隠れてしまう事があります。地形図とコンパスでナビゲーションできるスキルがあると安心です。覚えてみたい方は石井スポーツ登山学校の講習会に参加してみてはいかがでしょうか?

ウェア

アウターシェル・オーバーパンツ

ゴアテックスなどの防水透湿素材をお薦めします。頑丈で、フードでしっかりと顔が覆えるものが、吹雪の時に役立ちます。保温材などの入っていないシンプルなものに、レイヤリングで温度変化に対応するのがオススメです。

ゲイター・スパッツ

ロングタイプを。雪山では必携装備。雪の侵入を防ぐのが一番の目的。アイゼンを履いた場合のパンツの裾の保護にも。

防寒着

ダウンや化繊綿のジャケット、フリースなど。休憩時に羽織ったり、小屋で使用したり。非常時用としても必携です。 アウトドア用のダウンは少量でも良く膨らむ、フィルパワーの高い高品質ダウンボールが多く封入されています。

手袋

快適な雪山登山のためにはとても重要な装備。雪や氷には素手で触らないようにしましょう。保温性と防水性のしっかりとした手袋がオススメです。インナーグローブもあると便利。積雪期は予備も含めて2つ以上持ちましょう。

ソックス

ウールの割合が高いものがオススメ。厚さは靴のサイズとの相性も考えて。靴下も予備が必要です。

アンダーウェア

とても大切な装備です。雪の山では汗をかかないのがまず第一。ペース配分や衣類の調節に気を配りましょう。 保温性のある素材で(サーマスタット、アウトラスト、ブレスサーモ、メリノウールなど)、サイズは体にフィットしたものを!夏の吸汗速乾素材は乾くときに気化熱で体温を奪うため、適しません。アンダーウェアも非常用に予備を持つべき装備のひとつ。

ミドルウェア

中間着。長袖の薄手フリースやカットソーなど。フード付きも便利。メリノウールも保温性が高く快適です。

パンツ

ストレッチ性、速乾性があり、中厚手のものがオススメト。中にタイツと組み合わせるのならばやや薄手でもOK。

サポートタイツ

機能性タイツは筋肉のブレを抑え、肉体的な消耗も抑えてくれます。膝や股関節を安定させるモデルもあります。 寒い時期には保温モデルを出しているメーカーもあります。

帽子

保温用に。頭や首回りは表面積が大きく熱の損失が大きい場所です。

バラクラバ(目出帽)

目出帽。この時期の山はまだ吹雪くことがあります。薄いものでも十分。伸びて顔によくフィットするものが使いやすいです。

冬山装備

ピッケル

滑落停止等に使える強度があるものを! シャフトがカーブしているものは刺しやすく初心者にもお勧めですが、持ち方に気をつける必要があります。最近では持ち替えが主流なため、肩掛け式リーシュにしておくと便利です。

アイゼン

10~12本の前爪が出ているタイプが必要です。靴との相性があるので、しっかりと靴に合わせておくこと

ストック

凍った所や、急な下り斜面など不安定な足場でのバランスの補助に。凍った場所、雪が深い所では特に有効です。 積雪期はクリップ式のものが調節しやすく、凍りにくいのでお薦め。リングを大き目な深雪用に取り換えておきましょう。

わかんじき

新雪の積もったラッセルには欠かせない装備です。人のトレースを当てにしていくのはラッセル泥棒と呼ばれます・・・。

雪崩ビーコン

雪崩に埋まった時のための送受信機。これなくして埋まった人を探すのは不可能に近いです。自分だけではなく、救助隊など第3者の安全確保にも必要な装備です。

登攀的な装備

ヘルメット

雪上、氷上では転倒が即滑落につながるため、岩稜帯や沢筋のルートなど山によっては必携です。

ハーネス

歩行がメインの雪山ではダイアパータイプ(シットハーネス、ふんどし型)が装着しやすく、使いやすいです。 アイスクライミングなどクライミング的な雪山ではレッグループ式が必須、スワミベルトはオススメしません。

カラビナ

使いやすい大きさのものをルートによって3~5枚。安全環付カラビナはHMS型を2枚。

スリング

ダイニーマ製のものが軽くて、凍りにくく、携帯性も良いです。ルートによりますが60cm×2本、120cm×1本ほど。