登山学校校長挨拶

石井スポーツ登山学校は2010年にリニューアルしてから8年が経ちました。前身は1978年、かの伝説のクライマー森田勝氏によって設立され、時代に合わせて形をかえ継続してきました。装備や天気予報精度の向上、通信機器の発達によって、山登りのスタイルは急速に変化してきています。しかしながら、山の持つ本質はいつの時代も変わりません。

山は憩いの場
山は非日常
山は人生におけるスパイス
山は癒し
山は冒険
山は・・・

皆さんが山に向かうのにはそれぞれの理由があるでしょう。すべて受け入れてくれる、その懐の深さも山の魅力であると思いますが、山は等しく誰にでも平等でもあります。初心者には急坂が優しくなるわけではなく。装備や経験が少ない人にも等しく、雨や雪や風は吹きつけます。そこに向かう我々は山に立ち向かうのではなく、謙虚に、自らを鍛え、律して山の機嫌を伺うしかないのです。

山が学校、山が先生。自然を学ぶ。自然から学ぶ。気づきや、感じる心、個々の感性を大事にしながら、安全を第一に、安心して山を楽しめるように、しかしながら冒険心を忘れることなく、皆様が山を広く、大きく、深く楽しめるように、机上講習、実技講習共に、充実した内容にできるよう、講座を企画、実施していきます。

主役はあくまで皆さんであり、我々は自立をアシストするサポーターです。山を愛する、山で働く、山に関わる全ての人たちが自然を愛するパートナーであり、お互いに理解、尊重しあいながら山の素晴らしさや厳しさも伝えていけたらと思っています。

石井スポーツ登山学校校長 天野 和明

最近の「登山学校長」活動コラム

ちょっと前ですが6-7月にフランス シャモニーENSA(国立スキー登山学校)での研修、検定を経て無事に帰国しました。
滞在中は天候に非常に恵まれ、雪が多かったですが、山の状態が安定していて、休養日以外はずっと山に入ることができました。

夏シーズンのシャモニーは初めてでしたが、とても良い経験ができました。

ヨーロッパはやはり近代登山先進国です。背景や文化、理解度の差を改めて感じました。

具体的には、シャモニーは山の街。ブランド直営店、登山用品店、山の本屋などがたくさんあり、夏は山、冬はスキーで成り立っているといっても過言ではありません。

またアルピニストを尊敬、冒険を尊重する土壌があります。

シャモニーの谷の中に山へアクセスするロープウェー、ゴンドラ、電車などの交通機関が7つほどあり、街から30分で3,000m近いハイアルパインにアクセス可能   例えば3,800mまで入って、夏でもアイスクライミングが日帰りで可能なのです。