日帰り登山に慣れてきたら、テントを設営して山の中で1泊する登山【テント泊登山】にも挑戦してみましょう!
このページでは、ステップアップを目指す登山者の方、テント泊登山に興味のある方に向けて、テント泊登山で必要となる基本的な装備をご紹介しながら、その魅力を伝える内容となっております。
テント泊登山は装備の準備や、実際の山行中は日帰り登山よりも大変な事もありますが、その分、登頂時の喜びや、自分で設営したテントで山ごはんをつくり、一夜を明かした時の満足感、宿泊を伴うからこそ見ることが出来る山の絶景などなど……
無事に計画通り下山出来たときには、いつも以上に大きな達成感を感じながら記憶に残る山行となることは間違いありません!
日帰り登山向けの基本的な装備は持っているので、テント泊登山で使う装備を買い足したい。けれども何を検討・揃えればいいのかイマイチ分からない。
そんな方のために、基本的なテント泊登山で準備した方がいい装備を、リスト形式でご紹介します!
それぞれ使うシーンや役割に応じて、4つのカテゴリーに分けて解説させて頂きますのでそれぞれ参考にしてみて下さい。
※以下の装備内容はテント泊夏季1泊で、必要装備を自分で揃えて持っていくことを前提としたものです。
※日帰り登山と共通する基本装備(レインウェアやスパッツ、コンパス等)の一部は省略しております。
コレがないと始まらない!
まずはテントを設営するのに必要な装備・道具のご紹介。
テントを購入すればペグやガイラインは付属してきますが、
追加購入が必要な場合もあるので事前のチェックはお忘れなく!
イメージ画像 | 装備名 | ポイント |
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テント本体 (+フライシート) |
寝る空間を作り出す。山岳テントは軽量・コンパクトながら一定の強度も持ち合わせた高機能テントである。サイズや構造をよく吟味して選びたい。 ダブルウォールならインナーテント+フライシートの2枚構造。シングルウォールならテント本体のみの1枚構造となる。 |
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テントポール (テントフレーム) |
テントを立てるのに必要になる。テント本体に付属してくるはずなので、必要本数を忘れずに持参する。 出発前には自宅で組み立ててみて、問題なく展開できるか、中のコードが切れかかってないかなどをチェックしておくと安心。 |
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グランドシート (フットプリント) |
テント本体と地面の間に敷くシート。必須ではないものの、テント床面の保護や防水性の向上のために出来ればセットで使いたい。 そのテント用に専用設計された商品なら心配ないが、汎用品を使うならサイズに注意する(テント本体より大きいと水が溜まる原因になる) |
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ペグ | テントを地面に固定する道具。必要本数はテント毎に異なるので事前に確認しておく。素材や形状により重量や強度、打ち込みやすさが異なるが、 基本的には小型のアルミ(ジュラルミン)製のVペグやYペグ辺りが無難。鍛造ペグなどは重いので登山では使わない。 |
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ガイライン (張り網) |
テントが風で飛ばされないように四方に張るロープ。テント本体に付属している場合が多いので、まずはそれを使えばよい。 テントのサイズや自在金具の穴径にもよるが、1人用山岳テントなら1本当たり太さ2~3mm×2mくらいがおおよその目安。よく足を引っ掛けるので注意。 |
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自在金具 | ガイラインのテンション(張り加減)調整に使われる、アルミやプラスティック製のシンプルなパーツ。単に「自在」とも呼ばれる。 ロープワークを駆使するよりも、テンション調整が手軽に出来る。登山ブランドの自在はガイラインの太さが2~3mmでの使用を想定しているところが多い。 |
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テントマット (インナーマット) |
テント床面内側に全体的に敷く、厚さ1~2mmの薄いシート状のもの。保温性の向上や床面からの結露対策に効果があり、居住性の向上に繋がる。 寒い時季や雪山テント泊では必携装備なのだが、夏季テント泊ではその必要性や、やや嵩張るという点から持っていかないという方も多い。 |
はじめてテントを購入したら、実際に山で使う前にご自宅や設営しても大丈夫な公園などで設営の練習をしてみましょう。
本体購入時に付属してくるペグやガイラインの本数は最低限な場合が多いので、実際のペグの必要本数や、4方以外で追加で張れそうなガイライン用ループなどテントの構造をチェックしておき、追加で用意をしておくとテントの固定力を最大限発揮できるようになります。
グランドシート(フットプリント)は別売りになりますが、大事なテントを長く使うためにも本体と併せて使うことをおすすめします。
山岳テントは軽量でパーツ構成がシンプルな分、テントの固定が甘いと突然の強風でテントが飛ばされたり、本体やフレームにダメージを負ったりするのでテントをしっかり固定することも非常に重要です。
テント本体四隅の固定だけでは不十分で、必ずガイラインを4方にピンと張って固定するのを怠らないようにしましょう。
その際、固定にペグが使えればいいですが、高所のテント場などでは地面が硬くて上手く刺さらないことも珍しくありません。その場合は大きな石にガイラインを巻き付けたり、重石としてペグを押さえつけたりとその場にあるもので工夫して固定させます。
テントを無事に設営できたら、短い時間ながらもテント場での生活が始まります。
昼寝をしたり散歩をしたり、食事の準備をしたりと過ごし方は人それぞれですが、テント生活で必要となる基本的な装備についてまとめてみました。
イメージ画像 | 装備名 | ポイント |
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シュラフ | ザックに入れる必要があるので、軽量・コンパクトになるものが望ましい。ダウンと化繊のタイプがあるが、それぞれ特徴が異なる。 羽毛量などにより適応温度帯が異なるが、迷ったならやや暖かめのシュラフを選んでおいた方が無難。もちろん異なる温度帯のを複数使い分けてもよい。 |
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マット |
シュラフの下に敷くマット。これがないと寝るときに背中が痛いし底冷えするので必須。空気を入れるタイプと、そのまま広げて使うタイプに大別できる。 パッキングの仕方も変わるので好みが分かれるところだが、長さや厚み、断熱力なども考慮して好みの一品を見つけたい。 |
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シュラフカバー |
シュラフをすっぽりと覆うカバー。シュラフが水滴や結露により濡れてしまい、保温性が低下するのを防ぐ効果がある。一部商品は単体での使用も可能。 夏季1泊の登山なら必携装備ではないものの、将来的に長期縦走や雪山テント泊も目指すならいずれ用意しておきたい装備である。 |
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シュラフシーツ | シュラフの中に敷くインナーシーツで、肌触りがよい素材を用いており寝心地を更に良くしてくれる。 また、汗や汚れからシュラフを守ったり、山小屋泊でも衛生対策に役立ったりとテント泊以外での使い道もあるので持っていると便利。 |
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ピロー・座布団 | 寝る時や、テント内でくつろいでいる時にあると快適。コンパクトに折り畳めたり空気で膨らませるタイプを選びたい。 人によっては、寝るためのマットを座布団代わりにしたり、スタッフバックにウェア類をつめて即席ピローにしたりして省略する場合もある。 |
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ヘッドライト | 街中と違い、夜は本当に真っ暗になるので夜トイレに行こうものならヘッドライト無しでは辿り着けない。 赤色の光も照射できるタイプは、白色の光よりも暗所での使用時に眩しくないので目に優しく、周囲への配慮にも繋がるので、テント泊登山をするなら赤い光も使えるタイプがおすすめ。 |
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着替え |
全てのウェア類の替えを持っていくのは荷物になるので現実的では無いが、靴下やTシャツなどある程度品目を絞って持ち込むと、テント場でくつろぐ際に役立つし、翌日のために干すこともできる。 行動中に雨や汗で濡れてしまわないように防水のスタッフバッグに入れて持ち運びたい。 |
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防寒着 |
季節や天気、標高にもよるが、山の中は朝晩は思ったより冷え込むことも。薄手のフリースや手袋など、ちょっとした防寒着が活躍することもある。テント場滞在時用の着替えと兼用してもよい。 出発前に天気予報や現地情報を調べておくと取捨選択しやすい。 |
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サンダル |
テント場で生活する上で、山小屋に出向いたりトイレに行ったりなどの"ちょっとした外出"をする際に、サンダルがあると一々登山靴を履かなくて済むので便利。 もちろん荷物にはなるので、コンパクトになるものやシンプルな形状のものを選びたい。 |
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サコッシュ | テント場で外を出歩く時に、現金や鍵、スマートフォンなどの貴重品を持ち運ぶのに重宝する。 ウエストポーチとかでもいいのだが、肩掛けできて程よい大きさのサコッシュが使いやすい。オシャレな物も多く、下山後の街中での観光やお買い物にも使える。 |
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現金 (ワレット) |
テント場利用料の支払いはもちろんのこと、山小屋で水を買ったり売店を利用したりと山の中でもお金を使う機会はある。道中のトイレ利用料なども考えられる。 出来れば不測の事態に備えて山小屋に宿泊できる程度の金額を持ち込むと安心である。財布(ワレット)は小型でよい。 |
テント場に到着したら、まず①山小屋で受付を済ませて利用料金を支払います。その際山小屋の方から設営可能エリアやトイレ、水場の案内、その他注意事項の説明があるのでよく聞いておきましょう。
それからテント場に移動して②設営場所の選定→③テント設営→④荷物をテント内に入れて整理整頓→⑤自由時間という流れになります。
設営場所を選ぶポイントは「なるべく平らな場所を選ぶ」ことです。寝心地に直結するので設営前には地面に落ちている小石とかもなるべく取り除くとよいでしょう。
はじめての方は「どこに張ればいいか分からないかも……」と不安に思われるかもしれませんが、設営に適した場所にはテントを張った"痕跡"が残っているものなのでそれも参考にしつつ、トイレや山小屋との距離感などを考えれば自ずと設営場所は決まってきます。
シュラフ選びの基本的なポイントは「中綿の素材(ダウンor化繊)」と「シュラフを使う環境(温度帯)」です。
中綿にはダウン(羽毛)と化繊(化学繊維)が主に使われますが、同じ保温性能の商品で比較すると、ダウンの方が軽くてコンパクトになります。
ダウンは濡れに弱かったり価格が化繊よりも高いという点はあるものの、登山ではシュラフもザックの中に入れるので、軽さとコンパクトさは重要視したい要素と言えます。
一方で化繊のシュラフはダウンよりも価格が安く、濡れてしまっても保温力が低下しにくいという点が主なメリットに挙げられます。ダウンよりもやや重くて嵩張るという点に目を瞑れば化繊も十分使えます。
もう一点の温度帯については、各シュラフメーカーそれぞれ「快適使用温度」や「最低使用温度」など目安の温度を設定しています。寒さへの耐性や性別の違いなど個人差は加味する必要がありますが、選ぶ際の参考にしましょう。
異なる温度帯のシュラフを使い分けられれば理想的ですが、はじめてなら春~秋まで幅広く使える「スリーシーズンモデル」を一つ購入するのもおすすめです。
寒いのを我慢するのは結構大変ですが、暑いならジッパーを全開にするとか、シュラフに入らないでかけるだけにするとか、やりようがあるので、自分が今後使うであろう寒い環境の方を意識して選んでみると良いでしょう。
マット選びではまず、空気を入れて膨らませる「エアーマット」か、そのまま広げて使用する「クローズドセルマット」かのどちらを選ぶかから始まります。
エアーマットは、使わない時は空気を抜いて丸めることでコンパクトになり、ザックの中に入れることができます。
ほぼ空気で厚みを出すタイプ以外にも「インフレータブルマット」と呼ばれる、中に入っているウレタンの膨張を利用してある程度勝手に膨らんでくれるタイプもあります。
何れにせよ空気を用いる以上はパンクには注意しなければいけません。それと膨らませる方法を事前に確認しておくことが重要です。
クローズドセルマットは、普段はそのまま丸めたり蛇腹折りで畳んでおいて、使う際にそのまま広げて使うシンプルなタイプです。空気を用いないので即座に展開できて、耐久性にも優れている点も魅力的です。
基本的にザックに外付けになるので、場所を取ったり、行動中にマットが木や岩に引っ掛かったりする場合があるのでそこは注意が必要です。
マットは同一モデルで異なる長さの展開をしていて、短いサイズはより軽くてコンパクトになる一方、足が飛び出るのでそこをどう捉えるか―。
若しくは長めのサイズで寝心地を重視するかなど選択できるようになっています。
仕組みやサイズ、厚みによりどれも一長一短なので正直中々悩ましいのですが、パッキングや価格面も加味しながら好みの一品を見つけてみて下さい。
テント泊の楽しみと言えば大自然の中での山ごはん!
調理器具は様々な商品が販売されていますが、ここでは
テント泊登山でよく使われる基本的な装備をご紹介します。
イメージ画像 | 装備名 | ポイント |
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バーナー | テント泊登山では、麓のキャンプ場でやるような焚き火はできないので、軽量・コンパクトなシングルバーナーがよく使われる。 ガス・アルコール・ガソリンなど種類があるが、扱いやすさでガスが選ばれることが多い。後は湯沸かしだけか調理もしたいかなどでサイズを選べばよい。 |
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燃料 | 使用するバーナーに対応したメーカー指定の燃料を持っていく。何回調理するかなどで必要な燃料の量をある程度予測する。 ガス(OD缶)は使用帯温度で種類分けされている場合もあるので、現地の気温を見ながら適切なものを持っていくようにしたい。 |
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マッチ・ライター | 忘れがちなのがマッチやライター、トーチなど火を得るための道具。バーナーに着火させる時に必要となる。 たとえ自動点火装置が付いているバーナーでも、 誤って吹きこぼしたり、標高や天候により点火装置が使えなくなるケースは十分に考えられる。ライターならヤスリを回転させるフリント式を選ぶこと。 |
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コッヘル (クッカー) |
お湯を沸かしたり、調理をするための道具。どのような食料計画を立てているかで必要な大きさや数は異なるが、深鍋と浅鍋のセット辺りが無難。 パッキングの効率化のためOD缶やバーナーなどを中に収納したりするので、サイズの組み合わせもある程度加味しながら選ぶと失敗しにくい。 |
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カトラリー |
フォークやスプーン、箸など。セットになっているものや、組み立て式、フォークとスプーンが一体化しているもの、素材の違いなどで選び方は様々。 重たいものや嵩張るものは控えたいところだが、ここら辺は好みで選んでしまって構わないと思う。 |
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カップ・食器類 |
アルミやチタン、ステンレス製などの金属製のものや、シリコン、プラスティック製など種類は豊富。商品によっては直接火にかけることが出来るものもある。 荷物を減らすため、コッヘルで調理したらそのまま食べたりする事もあるので、必要かどうかよく考えて持ち込みたい。 |
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ボトル・水筒 |
飲み水を入れておくボトルの他に、調理用の水を入れておくボトルも用意すると良い。水場との往復の手間を考えると1~2L程度のボトルを準備したい。 中身の量に応じて形状をある程度変えられて、空なら折り畳められるソフトボトルが、パッキングの面でも便利で使い勝手がよくておすすめ。 |
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食料 | 食事を取る回数や何を食べたいかなど、ある程度考えながら事前に食料計画を立てておく。 食料はパッキングの面でも大きなウエイトを占めてくるので、お湯をかけるだけで直ぐに作れるフリーズドライ食品やアルファ米なども上手に活用したい。 |
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ゴミ袋 | 自分で出したゴミは全て自分で持ち帰るのが山のマナー。食事を取れば必ずゴミは生まれるので、それらを入れるゴミ袋は必携装備。 テント生活中に出たちり紙を入れるための小さいタイプや、密封できるチャック付きポリ袋なども使える。 |
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キッチンペーパー | 汚水を流せない山の中では、使用後のコッヘルや食器類の水洗いは難しい。そこで、濡らしたキッチンペーパーを使って拭き取るのがおすすめ。 必要になりそうな枚数だけチャック付きポリ袋に入れて持ち込むと良い。 |
食料や調理器具は潰したり"圧縮"できないのも多いので、ザックの中でスペースを取りがちです。コッヘルの中にバーナーや燃料を入れたり、食器類をスタッキングしたりと工夫して持ち運びましょう。
食事については、アルファ米やフリーズドライのおかずなどお湯(水)だけで作れるものは簡単で便利です。
もちろん味にこだわって生米を炊いたり、季節によってはスーパーの食材を持ち込んだりして凝った山ごはんを作るのも楽しいです。
ひとつ言えるのは山の中で食べるごはんは最高に美味しいという事です。
ただし、調理で火を扱う以上は注意が必要なのは勿論のこと、調理で出た茹で汁を地面に捨てたり、汚水を流したりするのは環境に負荷がかかるので絶対に止めましょう。
その点からもゴミ袋(チャック付きポリ袋)やキッチンペーペーパーなど片付けるための道具もしっかりと準備して、ゴミは全て持ち帰るという山での心構えをお忘れなく!
バーナーを使った調理は原則テントの外で行いますので、環境や気象条件次第で調理に手こずることもあります。
ここではそんな山での調理を少しでも快適にできる、バーナーと併せて使いたい小物類をピックアップしてご紹介します。
テント泊登山では、日帰り登山よりも沢山の装備が必要となるため、いつもより重たい荷物を背負って歩くことになります。
大型ザックを筆頭に、そんなテント泊登山のために押さえておきたい山行中(行動中)の装備のポイントをご紹介します。
イメージ画像 | 装備名 | ポイント |
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大型ザック | テントやシュラフ、マットなど持ち込むものが増えるテント泊登山では、50L以上のいわゆる"大型ザック"が必要。 大型ザックはその使用頻度からそう買い換えるものでは無いので、購入の際は実際にパッキングする装備を踏まえた上で容量をしっかり考えたい。 |
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サブザック | テント場から山頂までの往復では、身軽になるため必要最低限の装備だけをサブザック(アタックザック)に入れて登るというのはよくある。 容量は10~25L程度と意外と幅があり、薄く軽く作られていて使わない時はコンパクトになる。とにかく軽さを追求か、機能面もある程度充実したのを選ぶかは好みは分かれる。 |
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登山靴 |
普段より重たいザックを背負って坂道を登下降すると、ソールの柔らかいハイキングシューズでは踏ん張りが効きにくく疲れやすいし足元が不安定になり怪我や事故にも繋がりやすい。 全体的な剛性に優れ、足元をしっかり支えてくれるソールが硬めのトレッキングシューズやマウンテンブーツがおすすめ。 |
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トレッキングポール | 重たいザックを背負っていると、坂道では着地時に体が勝手に前のめりになっていつもより止まりにくくて脚が疲れやすい。 トレッキングポールを使うと 両手でも地面を捉えることができて、登下降が安定するので負担軽減に大きく繋がる。日帰りでは普段使わないという方もテント泊登山ではぜひ使ってみて欲しい。 |
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膝サポーター |
こちらも脚への負担軽減に繋がるアイテム。特に下り坂は膝への負担が大きいので、重たいザックを背負うのが不安な方はサポーターも使ってみることをおすすめする。 商品によりサポート力や装着方法が異なるので、付属の説明書をよく読んで正しく効果的に使いたい。 |
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水分・行動食 | いつもの日帰り登山よりも体力を消耗しやすいので、水分や行動中に食べる補給食はしっかり用意する。 水分を取る時に大型ザックを毎回、降ろして→担いでとやるのも結構大変なので、ハイドレーションやドリンクホルダーを使ってザックを背負ったまま、こまめに飲める状況にするとなお良い。 |
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スタッフバック |
様々な装備をザックの中に入れるので、スタッフバックに小分けに入れて整理してザックに収納していくと、パッキングしやすいしテント場でも荷物を散らかしにくい。 ウェア類、食料、電子機器など濡らしたくないものは防水仕様のスタッフバックを使おう。色や大きさで変化を付けると、どれだかわかりやすい。 |
行動中のウェア類は日帰り登山のものをそのまま使えますが、ザックや登山靴は重装備にも耐えられる、テント泊向けのしっかりしたものを用意した方が安全かつ快適です。
登山靴はソールが硬めでアッパーの剛性もそれなりにあるタイプが推奨されます。日帰り登山で使用していたハイキングシューズでも行けないことはないですが、重たい荷物を背負うと結構足元がふらつきやすくなるので、足元をしっかり支えてくれるタイプの方が安全かつ快適に歩けます。
マウンテンブーツも年々軽量化されて歩きやすくなってきているので、ステップアップを目指すなら検討してみて下さい。
トレッキングポールは普段の日帰りでは使わないという方もいらっしゃると思いますが、大型ザックを背負っての坂道の登り降りは結構足腰にこたえるものです。
泊まりがけの登山では連日歩いてトータルの歩行距離も伸びますし、疲労軽減という点でも非常に有効な装備なので、これを機に使ってみてはいかがでしょうか。
テント泊登山では一般的に50L以上の大型ザックを使いますが、一括りに大型ザックと言っても50Lと75Lでは当たり前ですが全然入れられる量が違ってきます。
選び方はまず「どの季節までやるか」を考えてみましょう。
夏場なら軽装で過ごせますので荷物は少なくて済み、50L台で行けることもありますが、春秋はウェアもギア類(例えば防寒着やアイゼン等)も増えるので60~75Lくらいあると安心です。更に雪山まで考えているならそれ以上あってもいいくらいです。
もう一点「何を楽しみにするのか」というのも選ぶ要素になってきます。
例えば山で凝った料理をしたいなら相応の調理器具や食材、調味料などが追加されるので大き目のザックが必要となるでしょう。
他にもテント泊をしながら縦走して沢山の山頂を踏みたいと考えるならば、スピード重視で荷物もザックも小型・軽量化をするというのも考えられます。
軽量化をする場合は嵩張りやすい食料や調理器具をどうするかがポイントになりますので、その場合は山小屋の食事や売店なども上手く活用するとよいでしょう。
大型ザックは一度買うと中々買い換えないものですので、はじめて選ぶのでそこまでイメージが沸かない方は季節・スタイル問わず対応しやすい65L前後のザックがおすすめです。
はじめてのテント泊登山は不安がつきものです。
ここでは少しでもその不安を減らすために大切な、5つのポイントをご紹介します。
普段より重たい荷物を背負っての山行は、いつもより歩くのに時間がかかったり休憩も増えます。
テント場に暗くなってから着くような事が無いように、時間にゆとりを持った登山計画を立てましょう。
1と同じような理由ですが、はじめてなら登山口から近いところや、あまり登らないでたどり着けるテント場をチョイスすると、精神的にも余裕が生まれて安心安全に行動できます。
実際の設営で手間取ると、調理・食事を取る時間や休憩できる時間がどんどん削られていきます。
場所的な制約もあるかもしれませんが、テント部品の確認や設営の練習はなるべくやってから行きましょう。
焦ってあれもこれもと勢いでパッキングすると、実際には使わなかった装備が出てくることも。
準備には時間的な余裕を持ち、一度中身を見直すくらいだと効率的な準備が出来て軽量化にも繋がります。
登山は結構エネルギーを消費するので、疲労回復のためにもしっかり食べて栄養補給しましょう。
そして普段は夜更かし大好きな方も、テント泊では暗くなったら早めに就寝です。夜は周囲の方々への配慮もお忘れなく!
テント泊登山で持っていくと便利なものや、ちょっとした小物類をご紹介します。
日用品などは、なるべく軽くてコンパクトなものを選ぶようにしましょう。
装備名 | ポイント |
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マスク | 山小屋に入る時や、衛生対策に必要。 |
ウエットティッシュ | 調理や食事をする際に。10枚~30枚程度のコンパクトなものを。 |
耳栓 | 周囲の生活音や騒音が気になるなら、耳栓を付けて寝るのがおすすめ。 |
各種充電器 | スマートフォンやGPS時計など電子機器の充電用に。ソーラーもよい。 |
LEDランタン | 夜のテント内での生活にあると便利。室内で使うならLEDタイプを。 |
洗濯バサミ | テント場生活中に、脱いだ靴下やウェア類を干すのにあると便利 |
細引き | 2~4mm程度のが数mあると、物干しやガイラインの追加に使える。 |
速乾タオル | テントが結露で濡れたときや、床に水をこぼした時に便利。 |
折り畳み傘 | 雨の時のちょっとした外出時に一々レインウェアを着なくてすむ。 |
携帯ラジオ | 携帯の電波が入りにくいところでも、ラジオなら情報が得られる。 |
防虫対策用品 | 防虫スプレーや防虫ネットなど。季節によっては必須に。 |
ダクトテープ | アクシデントで装備やテントが壊れた時の応急処置に。 |
保温ボトル | 沸かした際に余ったお湯を入れておくと再度湯沸かしする際に楽。 |
刃物類 | はさみやナイフなど、調理時やテープを切るのに使う。 |
まな板 | 食材を切るなら何かしら欲しい。小型のものでよい。 |
新聞紙 | 靴の湿気取りや汚れたものを中に置く時にあると便利。 |
ポリ袋 | 食事の項にもあるが、他にも濡れたテント本体や靴を入れたりもする。 |
はじめてテント泊登山をするという方におすすめのテント場をご紹介します。
東京・埼玉・長野・山梨の1都3県にまたがる秩父多摩甲斐国立公園内にあり、日本百名山の瑞牆山(みずがきやま:2,230m)や金峰山(きんぷさん:2,599m)に登るための拠点として主に利用される「富士見平小屋」にあるテント場です。
最大の魅力は何と言っても、登山口となる瑞牆山荘から50分程度で到着できる近さにあり、重たいザックを背負う時間が少なくて済むのは大きいです。
更に山小屋の横に水場(湧水)もあるので不慣れな方でも焦らずテントを設営して美味しい山ごはんを楽しめます。
テント場自体も樹林帯の中に広々としたスペースがあって張る場所にも困らず、地面も柔らかめなのでペグダウンもしやすくて設営しやすい環境と言えます。
長野県と山梨県にまたがる八ヶ岳連峰の南八ヶ岳にある山小屋「赤岳鉱泉」にあるテント場です。主峰、赤岳(2,899m)や硫黄岳(2,760m)に登るための拠点として主に利用されています。
登山口の美濃戸口から歩くと2~3時間程度とやや距離はありますが、林道歩きや道中の北沢コースはなだらかで歩きやすくテント泊初心者の方でもアプローチしやすいです。
ここの魅力は赤岳鉱泉の施設の充実具合にあり、水場は勿論のこと、立派な山小屋に綺麗なトイレ、時季によりますが何と入浴も可能で、更に名物のステーキは絶品!日替わりなので食べられるかは運次第ですが、ここでテント泊をするなら夕食は山小屋で頂くのもおすすめです。快適かつ贅沢なテント泊が満喫できること間違いなしです。
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