OPENING COLUMN
バックカントリースキー＆スノーボードの魅力とは
このページを訪ねていただいた方はすでにバックカントリースキー＆スノーボードを楽しまれている方はもちろんですが、バックカントリーっとどうなんだろう？ 興味はあるけれど初めの一歩を踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでバックカントリーに関してその魅力や楽しみ方から最新のマテリアル情報をはじめ用具の選び方、達人たちの楽しみ方などを紹介する記事をはじめ、安全に楽しむための方法そしてフィールド情報まで幅広く様々な情報をお伝えしていきたいと思います。
バックカントリーって？
バックカントリーとは本来裏山的なニュアンスで使われてきた言葉でしたがここ日本において最近ではスキー場のコースなどの管理区域とそれ以外を区別するために使われるようになってきています。スキー場のゲレンデと呼ばれるコースは降雪状況や積雪状況によって滑り易く整備をしたり場合によってはコースクローズなどをしたりして利用者の安全を確保してくれていますがバックカントリーでは管理は行われていない自然のままの状態ということになります。
多くのスキー場は利用者が誰もが安全かつ滑りやすくするため例えば地形そのもののねじれを造成したり溝を埋めたり斜面の起伏を削って穏やかにしたり降雪があれば圧雪車で整備してくれているのです。たとえコース外であってもスキー場に影響が予想される場合には雪庇が張り出し危険と判断すれば人工的に雪崩を起こして未然に事故を防ぐための活動をしてくれているのです。このゲレンデとはドイツ語でスキーの練習場という意味があるそうです。そうゲレンデとはスキーのテクニックを学ぶための練習場なのです。そしてそこで学んだ技術を発揮する場所が山、つまりバックカントリーというわけです。
バックカントリーでは岩・立木・崖・沢や滝などの地形のほか風によって形成される雪庇（雪が張り出したひさしの様な状態）などが自然そのままの形で存在しているため整備されタ管理区域であるゲレンデと違い立木への衝突、転滑落、雪崩など様々なリスクがある事も理解しておく必要がある事は言うまでもありません。このリスクに関しては別の機会に詳しく紹介していきたいと思います。バックカントリーは自己責任と言われますが、ひとたび怪我や雪崩などで行動不能に陥り自分たちで下山できない状況になれば救助に頼ることになる事を忘れてはいけません。特に初めての方や経験の浅い方は安全に十分に配慮し経験者やガイドなどと行動することを推奨いたします。
バックカントリーの魅力とは
バックカントリー（BCと略称）の魅力・面白さは一言で言い尽くせない魅力に溢れています。どこに魅力を感じるかもきっと一人ひとり違っていると思いますがあえて挙げるならば雪山の雄大な景観を独り占めしながら前述した様々なリスクと対峙しクリアしながらゲレンデで練習しマスターした滑走技術を駆使し、太陽の位置や日射・風の影響で刻々と変化する雪質や天候などの要素を予測しながら目の前に広がる自然地形を自分なりのターンでつなぎながら雪質・地形・滑走技術をうまくコーディネーション出来た時の自然との一体感ではないでしょうか。
もちろん誰も滑っていない斜面に自分だけのシュプールを刻む快感や登頂した達成感、パウダースノー独特の浮遊感、ゲレンデでは味わうことが出来ない壮大なスケール感、仲間と素晴らしい時間を共有できる喜びもBCの魅力や楽しさの一つですがハイクアップしているときでさえ自分の体が自然の一部なっているような感覚になる事だってあるのです。風や雪の音だけが響く静寂の世界で様々な感覚が研ぎ澄まされていく感覚そのものも魅力となっているはずです。
そしてなんといっても日本は世界有数の降雪量と降雪頻度を誇りJAPOWと呼ばれ世界中からパウダー好きのスキーヤーが訪れる憧れの環境を私たち自身が体験しない手はないでしょう。行ったことの山域の地図を見ながら滑りに適した斜面を探し地形を想像しプランを立てるといった準備に始まり雪を求めて旅する楽しさ、郷土料理や地酒に温泉。滑るだけでない楽しさがバックカントリーの魅力なのです。そして同じ雪は二度とない一期一会の雪との出会いがスパイスとなってきっとあなたも虜になる事でしょう。
BCを楽しむための初めの一歩
まずスキー場のゲレンデでどんな斜度、雪質、斜面状況であっても安全に滑って止まれる技術を身に着けることが大変重要で初めの一歩です。これが出来ていない場合にはBCを楽しみどころか同行者の安全をも脅かす可能性があります。まずしっかりゲレンデで基礎技術の習得に努めましょう。次に整備されたコースが問題なく滑れるようになったら非圧雪コースやツリーランエリアにチャレンジしてみましょう。BCに行かなくてもリフトを使ってパウダーを効率よく楽しんだり練習したりすることが出来ます。もちろんシチュエーションにマッチした道具を使う事が上達の早道であり楽しさのレベルも違います。
ここまで来たらあと一歩！
次回は道具の選び方についてです。
どうぞお楽しみに！