11月 登山の日「秋深く澄み渡る山の空」
11月登山の日 おすすめの山 大菩薩嶺
大菩薩嶺は日帰りで登ることのできる人気の2000メートル級の山です。紅葉シーズンはもちろんのこと、春の頃も山野草が美しく、冬は上日川峠までは車が入らず、丸々1日をかけて登ることになりますが、展望も素晴らしく、1s年を通じて何度でも登ってみたくなる素晴らしい山です。
今回はみんなが楽しめる上日川峠からの行程を紹介します。
上日川峠−福ちゃん荘—富士見山荘−大菩薩峠−賽の河原−雷岩(雷岩付近は岩場なので注意しましょう)−大菩薩嶺−雷岩(展望が良いのでここでお昼を食べるのがオススメです)−唐松尾根下山−福ちゃん山荘−上日川峠
ゆっくり歩いても約4時間の行程なので、展望を楽しみながら、ランチやお茶を楽しむのも良いでしょう。しかし、2000メートル級の山なので防寒に注意しましょう。足元も防寒とこれからのシーズンを楽しむための履き慣らしも含めて、ハイキングシューズよりランク上の登山靴がオススメです。
起点の上日川峠にはJR中央線 甲斐大和駅からバスが運行しています。人気の山なので混雑には注意してください。
晩秋のハイキングでコンロを使いこなすコツ
①風防を用意する。
②低温用カートリッジの準備(もちろんコンロと同一メーカーを準備するのはお約束)。
③ライターを携帯(気温が低いと着火装置が効かなくなることがある)。
※これからの時期に活躍するのがコンロセット(風防一体型のコンロ・ナベ)です。少し風があっても効果的に炊事が出来ます。
<ハイキングで炊事をする工夫>
①食材をあらかじめ切って鍋に入れればすぐに調理できるようにしておく。
②サーモスの山専ボトルにお湯を用意して調理時間を短くするのもよい工夫です。お茶やカップラーメン程度であればコンロを使わず作ることができます。コツは一度ボトルにお湯を入れて中を温めておき、再度そのお湯を沸騰させて詰めることです。
晩秋から冬にかけてのウエアのレイアリング
今回紹介した大菩薩嶺に限らず、晩秋から冬にかけてはウエアのレイアリングが楽しい登山のポイントです。
★ポイント「体を冷やさない為の対策を立てる」
登山中に熱が体内から体外に放散される経路ごとの対策を考えてみましょう。
①熱伝導の対策
登山中に冷たいものに触れるのは、手・足と休憩時に座る時でしょう。対策としては手袋の用意・断熱性の高いインソールの用意・休憩時の携帯断熱マットが考えられます。
②対流の対策
登山中の対流と言えばもちろん風です。対策としてはゴアテックスウエアの活用が定番ですが、この時期さらに快適にハイキングをするためにはより湿気のこもりにくいソフトシェル素材のジャケットもお勧めです。
③放射の対策
外気温が低いと登山中にどんどん熱を放出します。気温に応じた服装のレイアリングを心掛けることが基本です。体感的に特に熱の放出を感じられるのは頭・首・手首・足首ではないでしょうか。頭は熱の変化に弱い脳細胞を守るため血管が集まり、首と名のつくところは太い動脈が通る場所で共に体温維持に関係する血流の要となる場所です。ここを効果的に保温することにより、より薄いレイアリングで行動が出来ます。ぼってりとした着衣より、軽快なスタイルで秋の紅葉を楽しみましょう。
④発汗の対策
より軽快なスタイルでと書きましたが、これは発汗に対する対策になります。
運動中に着用する衣服の役割は、
▽寒さなどの外部環境の変化から体を保護する。
▽体から出る熱や湿気などの変化に対して、衣服内環境を快適に保つ。
でしょう。
体温が上昇すると、服の中の空気の温度も上がり、最初は暖かさを感じますが、体表からは温度調節をしようと汗が出てきます。汗は衣服や体表で蒸発するときに皮膚の温度を奪い、いくら厚着をしてもなかなか暖かさを感じないのはこれが原因です。対策として保温性に優れた吸汗速乾性機能素材のアンダーウェアを着用しましょう。
以上、快適に晩秋ハイキングを楽しむポイントについて食事とウエアリングから述べました。皆さんの参考になれば幸いです。また、より具体的なレイアリングや、ニット帽や手袋の選択については店舗スタッフが詳しく説明させていただきます。ぜひご来店ください。
最後に耳寄り情報を一つ。大菩薩嶺は登山学校、天野校長のふるさとの山で、彼は山々を甲州アルプスと名付けて皆様にふるさとの山の魅力を伝えています。ぜひ大菩薩嶺を訪れて、その魅力に触れていただき、展望と伝説を秘めたこの峰々を愛していただくことを願っています。
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