7月 登山の日「かたつぶり そろそろ登れ 富士の山」 小林一茶
おすすめの山 富士山
夏といえば富士山。今月は日本人の心の山とも言える富士山を取り上げたいと思います。
「日本百名山」-新潮社-で深田久弥は「老いも若きも、男も女も、あらゆる階級、あらゆる職業の人々が、「一度は富士登山を」と志す。 と記し、世界各国にはそれぞれ名山がある。しかし富士山ほど一国を代表し、国民の精神的資産となった山はほかにないだろう。 「語りつぎ言ひつぎゆかむ」と詠まれた万葉の昔から、われわれ日本人はどれほど豊かな情操を富士山によって養われてきたことであろう。 と述べています。
登って良し、眺めて良しの富士山には様々な楽しみがあり、それぞれの登山道には歴史と趣があるので、今月は富士山に快適に登るポイントを述べたいと思います。
富士山を登る上で注意すべきは次の3つが主なところでしょう。
①高度の影響で頂上に近づくにつれて苦しくなる。(高山病)
②登り一辺倒で途中に木陰もない。(熱中症・脱水)
③天候が悪化すると夏でも氷点下近くまで気温が下がる。(低体温症)
それぞれの対応策を考えてみましょう。
<高山病・熱中症・脱水の防ぎ方>
高山病とは、頭痛やめまい吐き気など、酸素濃度の低下により充分な酸素が体内に供給されにくくなるために起こる症状です。 酸素濃度は標高が高くなるにつれて低くなり、富士山山頂付近では6割から7割程度まで減少します。 せっかくの富士登山が高山病で台無しになってしまわないように、以下のポイントを意識して臨みましょう。
-ゆっくりマイペースで-
富士登山の基本はゆっくりと高度に順応しながら登ることです。無理をせず1時間に1回程度を目安に休憩をとるようにしましょう。 また呼吸の深さもポイントです。無意識な浅い呼吸にまかせず、深い呼吸を心がけましょう。 息苦しさを感じたら酸素缶やタブレットタイプの酸素で補給すると良いでしょう。
-水分補給-
水分が不足すると、循環不全という状態になり、末端の組織まで酸素が運ばれにくくなるので、こまめに水分補給を行いましょう。 行動中でも簡単に水分補給できるハイドレーションタイプもおすすめです。
-サプリメントの摂取-
鉄分が不足すると、血中のヘモグロビン(主成分は鉄分)が減少し、酸素をうまく体内に取り込みにくくなります。 鉄分はもともと不足しがちな栄養素なので、サプリメントなどで摂取しましょう。また、疲労が貯まる事で、高山病のリスクは高まります。 疲労を貯めにくくするためにはアミノ酸系のサプリメントが有効です。
<低体温症を防いで快適に登る装備と準備>
基本的な装備は一般的な夏山装備で大丈夫です。しかし富士山の頂上付近の気温(8月)は平均最高気温9.1℃で平均最低気温3.4℃です。 頂上付近は町の冬と同じと考えて良いでしょう。ここに風が加わるので(風速1mにつき体感温度は1℃下がる)氷点下に耐える装備を用意する事が必要です。
<装備選びのポイント>
●防寒具に加え、夏でもニットキャップ・ウールの手袋は持っていきましょう。
●ゴアテックスの雨具は防風にもなるので必携です。
●紫外線が強く、日陰がないので日焼け防止の帽子や日焼け止めは必携です。
●山小屋・早朝の行動とヘッドランプは必携です。(予備もあると心強い)
●登山靴・トレッキングシューズに加え、ゲイターを用意して砂利が入る事を防ぐ。
●下りに備えてサポートタイツを積極的に活用しましょう。
●ヘルメットは落石だけでなく、転倒時など様々な状況で頭を保護してくれます。
●登山道と下山路が違うので、地図も忘れずに用意しましょう。
●装備ではありませんが、トイレ協力金に小銭(100円玉)の用意を忘れないように。
以上快適登山のポイントも含めて述べました。ぜひ楽しく登って日本が世界に誇る名峰富士山を愛してほしいと石井スポーツスタッフ一同願っています。
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