おすすめの山 【二口渓谷】
今月は二口渓谷を紹介しましょう。二口渓谷は仙台平野を流れる名取川の上流にあたり、原始林の中を流れる渓谷美と古来からの街道に語り継がれる伝承で知られています。特に大行沢(おおなめさわ)とその支流の美しい滝やなめの川床をさらさらと流れる清流は爽やかな山旅を約束してくれます。今年、みなさんも二口渓谷を訪れませんか。
(行程)
秋保ビジターセンター – 白滝分岐 – 裏磐司展望台 – 北石橋入口分岐 – 北石橋
(下山路は往路を戻る)
コースの特徴
仙台より秋保ビジターセンターまではバス便がありますが、回数が少なく車利用が便利です。ビジターセンターすぐ近くには登山者用駐車場が整備されています。今回のコースは大東岳登山道裏(大行沢)コースを概ねたどりますが、途中にはロープにつかまったり、急な斜面をトラバースする箇所もあるので注意が必要です。なお、滝巡りだけでなく、大行沢の上部は沢靴だけで心地よい沢歩きが楽しめます。ほかに、樋ノ沢避難小屋が整備されており、ここを利用して沢と原生林を楽しむ1泊2日の山行もおすすめですが、使用にあたっては十分マナーを守って、来た時よりも美しくの精神で利用させていただきましょう。
8月は梅雨明けの好天・山の日の連休・さらには遅い夏季休暇を習得される月末まで、ひと月を通じて様々な山行計画をされていると思います。そこで水分補給・害虫・雷など、夏山に登る注意点を以下にまとめました。参考にしていただき、素晴らしい夏山をお楽しみください。
夏山の注意点1 「水分補給と熱中症対策」
登山で気持ちよく汗をかくためには水分補給が重要です。水分が不足すると、循環不全という状態になり、末端の組織まで酸素が運ばれにくくなるので、すぐに疲れてしまいます。翌日まで疲れも残りせっかくの休日が台無しです。
水分補給の目安
水分補給の基本は誘い水のつもりで歩き始め30分前に約200ml(コップ2杯程度)飲んで、トイレも済ませます。そのあとは1時間に300mlを目安に飲みますが、一度にゴクゴク飲むと体に吸収されずにおなかが痛くなったり、トイレが近くなります。何度かに分けて飲みましょう。ハイドレーションタイプの水筒であれば、歩きながら補給できるので便利です。
水分だけの補給は危険
水分だけを補給すると電解質を失った体液をさらに薄めて低ナトリウム症(水中毒)を引き起こし危険です。水分と電解質の補給は切っても切り離せません。特に夏は発汗量も多く積極的に水分補給しなければなりませんが、電解質を含有したスポーツドリンクを中心に、塩分補給サプリメントも準備しましょう。
ブランド:プラティパス
品名:ビッグジップEVO 2L
価格:¥4,950(税込)
説明:ザックを下ろさずに素早く水分補給ができるハイドレーションシステム、こまめな水分摂取が熱中症、高山病を予防します。
ブランド:ミドリ安全
品名:塩熱サプリ
価格:¥660(税込)
説明:汗で失われた電解質を素早く体内に摂取できるタブレット、すっきりしたレモン風味で食べやすい。
熱中症対策
先月も述べましたが、夏の登山で水分補給とともに注意したいのが熱中症です。
〈熱中症を予防するためには?〉
熱中症予防は、水分・電解質補給、帽子、日陰、涼しい服装が良いとされています。登山では、第一に水分・電解質補給が大切なことは先に述べました。さらに長時間活動するので、カロリー補給も忘れずにしましょう。低栄養状態も熱中症の要因です。帽子、涼しい服装、日陰ですが、登山用の帽子には風通しや日差しを遮る工夫を凝らしたものがあります。涼しい服装は登山の場合なかなか難しいですが、UVカットのアイテムや速乾性の素材等をうまく活用しましょう。
ブランド:フォックスファイヤー
品名:SCフーディ L/S
価格:¥10,780(税込)
説明:防虫・吸汗速乾・UVカットの機能を併せ持ったフルジップパーカー。細かな穴開き構造の生地の為、通気性に優れ盛夏でも着用可能です。
ブランド:フェニックス
品名:Arbor Hat
価格:¥4,510(税込)
説明:サイドメッシュがベンチレーション機能を果たすサンシェイドつきハット。
ブランド:エアモンテ
品名:クールパス マフラー
価格:¥1,100(税込)
説明:冷涼感+抗菌の特殊抗菌素材を使用しています。タオルを水につけて絞ったのち振ることで、より冷却効果を体感できます。暑い夏には必須です。
夏山の注意点2 「登山中に注意する虫の防ぎ方と対処の仕方」
蚊やぶゆ・ケムシ・ヒルの防ぎ方は先月述べたので、今月は蜂とダニ・ツツガムシについて詳しく書きます。
ハチは要注意!
スズメバチが自分の周りを飛び始めるのは近くに巣がある証拠です。振り払ったりすると、仲間を呼んで大群に襲われるので、ゆっくりとその場を離れましょう。また、黒い服と香水など匂いに興奮して攻撃性が高まる事が多いので、山などに出かける際には、黒い服と香水等は控えましょう。アシナガバチも山で見かけます。休憩中に脱いだ衣服の中やザックの背面にいつの間にか止まり、刺されることが多いのでよく注意しましょう。ハチに刺された時はすぐに流水で患部を流してポイズンリムバーで毒液を吸出します。十分に吸出した後で、抗ヒスタミン系成分を含む(市販の虫刺されには大概含んでいます)ステロイド系軟膏を塗り、患部を冷やして速やかに医療機関(皮膚科)を受診しましょう。後述のショック症状が出ると生命の危険もあります。
アナフィキラシーショックに注意!
屋外のハチ毒による死亡例は熊の襲撃よりも多く、日本で毎年30〜40件程度発生しています。多くは「アナフィキラシーショック(ハチ毒や食物、薬物等が原因で起こる急性アレルギー反応)」によるショック死と言われています。ハチ(スズメバチだけでなくアシナガバチやミツバチも)に刺されてことがある人は、2度目に症状が出やすいので、病院でハチ毒アレルギーが無いか検査しましょう。
ダニやツツガムシはやぶの中に潜んでいる。
普通の登山道で被害にあうことは稀ですが、ダニは生物の体にいつまでも食らいつきます。無理に引きはがそうとすると、体内に頭部が残ってしまう場合があるので、そのまま皮膚科に行きましょう。また、ダニやツツガムシは「日本紅斑熱」や「発疹チフス」、「ツツガムシ病」などを引き起こす「リケッチア」という菌を媒介するため、必ず医師の受診をしましょう。
ブランド:フォックスファイヤー
品名:SCレイヤードクルー
価格:¥5,544(税込)
説明:防虫、吸汗速乾、UVカット機能を持つ特殊素材「スコーロン」の長袖Tシャツ。薄手ニット素材で春夏秋3シーズン着まわせます。
ブランド:シーラーデルソル
品名:マルチガードUVジェル
価格:¥1,760(税込)
説明:虫よけ成分を含んだジェルタイプの日焼け止め、汗にも強く心地よい香りと保湿効果のあるスキンケア成分に使い心地も良い。SPF50 PA++++
夏山の注意点3 「雷に注意」
雷は次の三つの条件が組み合わさって起こります。
①湿った空気があること。
②大気の状態が不安定であること。
③上昇気流があること。
以上の条件が揃った時、積乱雲が発達して雷雨となります。特に今年のようにオホーツク高気圧の影響が残る年は上空に寒気が入りやすく大気の状態が不安となりがちなので注意が必要です。雷は遭遇しないことが唯一の身を守る方法です。次の点に気を付けてください。
①天気予報に注意する。(大気の状態が不安定キーワード)
②遠くから雷鳴が聞こえないか注意する。(ラジオの雑音等で確認するのも有効)
③発雷確立の低い午前中に登山を終える。(早出早着きが登山の基本)
以上夏山を安全に楽しむ注意点を述べました。皆様がすばらしい登山をされる事を石井スポーツスタッフ一同願っております。