国師ヶ岳頂上から富士山
おすすめの山 「国師ヶ岳」
今月は奥秩父の国師ヶ岳を紹介しましょう。
国師ヶ岳の山名は鎌倉から室町時代の禅僧夢窓疎石の偉業を称えて地元の人々が付けたと言われています。
花の百名山や山梨百名山に選ばれていて、山頂には一等三角点が設置されている展望の山でもあります。
かつては麓の集落から遠い秘境の山でした。
今は大弛峠から道も整備されて山小屋も近くにある便利な山になりましたが、隣の金峰山に比べ、人も少なく、山頂からの大展望が楽しめます。
今年、みなさんも国師ヶ岳を訪れませんか。
おすすめのコース
【行程】おすすめとは言えませんが、本当の静寂コース
信濃川上村梓山バス停-自然休暇村-(梓久保林道)国師のタル分岐(ここから廃道の岩屋林道を微かなペンキマークを頼りに進む)岩屋(梓川岩小屋)-岩屋林道水場(国師ヶ岳から北に延びる尾根に詰め上がる)-国師ヶ岳
コースの特徴
大弛峠に車道が通じるまでは登山地図にも載っている登山道で、途中にあるテント3張りは張れる大きな岩屋が特徴的なコースでした。
今は自然に帰り、ところどころ木の幹に付けられた赤いペンキの丸印が、かつての登山道であったことを示すのみです。このコースを辿る場合は途中でビバークの出来る装備と十分な読図力が必要です。しかし、自然に帰ったとは言え、注意深く見れば人の通った痕跡があり、ひどい藪漕ぎに悩むことも無く静寂の登山道を味わうことができます。
今年は各所の梅雨明けが異なり、梅雨明けの晴天を味わえた山域と午後に必ず天候が崩れた山域があったと思います。この原稿を書きながら、今後の天気の予報を確認しましたが、早くも秋雨前線がかかった様な気圧配置でお盆過ぎから8月後半まで不安定な天気が予想されています。
私たちは自然の中に身を置き、山を楽しむわけですが、自然は自然であり、人の思いは通じません。どうか、自然の声に耳を傾け、素晴らしい夏山をお過ごしください。
廃道となった岩屋林道
夏山の快適登山術
その1 水分補給の重要性と注意点
先月も紹介しましたが、登山で気持ちよく汗をかくためには水分補給が重要です。水分が不足すると、循環不全という状態になり、末端の組織まで酸素が運ばれにくくなるので、すぐに疲れてしまいます。翌日まで疲れが残り、せっかくの休日が台無しです。 登山中の水分補給は1時間300mlが目安ですが、水分だけを補給すると電解質を失った体液をさらに薄めて低ナトリウム症(水中毒)を引き起こし危険です。夏後半でそろそろ近くの山も少しは涼しくなったと低山を計画されている方も多いと思います。まだまだ、発汗量も多く積極的に水分補給しなければなりません。電解質を含有したスポーツドリンクを中心に、塩分補給サプリメントも準備しましょう。
その2 登山中に遭遇する害虫の防ぎ方と対処の仕方は?
①長ズボン長袖を着用して肌を露出しないこと。
②携帯の蚊取り線香や虫除け・ヒル除けスプレーをいつも準備。
①どんな虫であれ、流水で洗い流す。
②ヤブ蚊やぶゆなどの毒性の強い虫の場合はポイズンリムバーで吸い出す。
③ケムシの場合は毒棘を粘着テープなどで取り除く。 ※タオルで棘を振り払うと、棘のついたタオルを介して炎症を広げるので要注意。
④抗ヒスタミン系成分を含むステロイド系軟膏を塗る。
※抗ヒスタミン系成分(市販のかゆみ止めにはほとんど含まれます)
⑤ヒルに吸われた時は引っ張って無理に取ると口が残るので、ライターの火などであぶって取ります。また、いつまでも出血するので絆創膏を強く張ります。
ヤブ蚊やぶゆなどの毒性の強い虫やケムシに刺された場合やウルシなどの毒のある草にかぶれた時は患部を冷やして速やかに医療機関に行きましょう。
その3 雷から身を守る!
今年は上空に寒気があって雷が発生しやすい状況です。雷は遭遇しないことが唯一の身を守る方法です。次の点に気を付けましょう。
①天気予報に注意する。(「大気の状態が不安定」がキーワード)
②遠くから雷鳴が聞こえてこないか注意を払う。(ラジオの雑音等で確認すると有効)
③発雷確立の低い午前中に登山を終える。(早出早着きが登山の基本)
以上 水分補給と害虫・雷について、述べました。
「用意周到な準備で安全登山」皆様がすばらしい登山をされる事を石井スポーツスタッフ一同願っております。