2022年 7月登山の日

 

7月登山の日

宝永火口の彼方に富士山の頂見る

 

おすすめの山 宝永山

富士山は吉田口をはじめ、主に4つの登路があります。今回は頂上ではなく宝永火口のコースを紹介しましょう。宝永年間、元禄文化の華やかな太平の世の年の暮れに突如として富士山が噴火しました。山麓の被害のみならず、江戸の町でも火山灰が降りました。儒学者新井白石の「折たく柴の記」には「この日の午時雷の声す、家を出るに及びて、雪のふり下るごとくなるをよく見るに、白灰の下れる・・・」と記されてます。このように大きな被害をもたらした大噴火でしたが、翌年には多くの富士山講の方が訪れて、地元の復興に一役買ったとあります。今、宝永火口の周辺は訪れる人に異邦の地を見るかのごとく独特の景観を見せてくれます。
今年、この独特の景観を味わいに宝永山に登りませんか。
 

 
 

おすすめのコース

 

【行程】
富士宮口五合目-六合目-宝永第一火口-宝永山-第一火口縁-第二火口縁-三合目(第三火口分岐)-水ヶ塚

 
【コースの特徴】
水が塚からシャトルバスで富士宮口五合目に行けば、宝永火口のふちを通り、2時間ほどで宝永山の頂上に到達できます。しかし、標高が2500mを越えているので、雄大な景色を見ながら、もっとゆっくり行くと良いでしょう。初めて訪れたときは山麓から見る端正な富士山にこんな大きな火口があってこんなに起伏に富んだ地形だったんだと驚いたことを覚えています。下山はザクザクと下り、途中から樹林帯を木の根っこに注意しながら水が塚まで下ります。
宝永火口の馬の背からさらに進むと御殿場口登山道に合流します。このルートをたどり、富士山山頂に至るルートは、天皇陛下が皇太子の時に登られて通称プリンスルートと呼ばれています。他の登山道に比べて人も少なく、東面を登るため無理をして頂上に至らずともご来光も拝めます。こちらもお勧めのルートです。
 
富士山を登る上で注意すべきは次の3つが主なところでしょう。
①高度の影響で頂上に近づくにつれて苦しくなる。(高山病)

②登り一辺倒で途中に木陰もない。(熱中症・脱水)

③天候が悪化すると夏でも氷点下近くまで気温が下がる。(低体温症)

 
それぞれの対応策を考えてみましょう。
 
 

<高山病・熱中症・脱水の防ぎ方>

 
高山病とは、頭痛やめまい吐き気など、酸素濃度の低下により充分な酸素が体内に供給されにくくなるために起こる症状です。 酸素濃度は標高が高くなるにつれて低くなり、富士山山頂付近では6割から7割程度まで減少します。 せっかくの富士登山が高山病で台無しになってしまわないように、以下のポイントを意識して臨みましょう。
 

-ゆっくりマイペースで-

 
富士登山の基本はゆっくりと高度に順応しながら登ることです。無理をせず1時間に1回程度を目安に休憩をとるようにしましょう。 また呼吸の深さもポイントです。無意識な浅い呼吸にまかせず、深い呼吸を心がけましょう。 息苦しさを感じたら酸素缶やタブレットタイプの酸素で補給すると良いでしょう。
 

-水分補給-

 
水分が不足すると、循環不全という状態になり、末端の組織まで酸素が運ばれにくくなるので、こまめに水分補給を行いましょう。 行動中でも簡単に水分補給できるハイドレーションタイプもおすすめです。
 

-サプリメントの摂取-

 
鉄分が不足すると、血中のヘモグロビン(主成分は鉄分)が減少し、酸素をうまく体内に取り込みにくくなります。 鉄分はもともと不足しがちな栄養素なので、サプリメントなどで摂取しましょう。また、疲労が貯まる事で、高山病のリスクは高まります。 疲労を貯めにくくするためにはアミノ酸系のサプリメントが有効です。
 
 

<低体温症を防いで快適に登る装備と準備>

 
基本的な装備は一般的な夏山装備で大丈夫です。しかし富士山の頂上付近の気温(8月)は平均最高気温9.1℃で平均最低気温3.4℃です。 頂上付近は町の冬と同じと考えて良いでしょう。ここに風が加わるので(風速1mにつき体感温度は1℃下がる)氷点下に耐える装備を用意する事が必要です。
 
 

<装備選びのポイント>

 
●防寒具に加え、夏でもニットキャップ・ウールの手袋は持っていきましょう。

●ゴアテックスの雨具は防風にもなるので必携です。

●紫外線が強く、日陰がないので日焼け防止の帽子や日焼け止めは必携です。

●山小屋・早朝の行動とヘッドランプは必携です。(予備もあると心強い)

●登山靴・トレッキングシューズに加え、ゲイターを用意して砂利が入る事を防ぐ。

●下りに備えてサポートタイツを積極的に活用しましょう。

●ヘルメットは落石だけでなく、転倒時など様々な状況で頭を保護してくれます。

●登山道と下山路が違うので、地図も忘れずに用意しましょう。

●装備ではありませんが、トイレ協力金に小銭(100円玉)の用意を忘れないように。「用意周到な準備で安全登山」
 

「用意周到な準備で安全登山」
皆様がすばらしい登山をされる事を石井スポーツスタッフ一同願っております。

 

 
 

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