高尾山のしもばしら
おすすめの山 高尾山
今月は高尾山のしもばしらを紹介しましょう。しもばしらと言うと、冬に地中の水分が凍てつき、ザクザクと踏みしだいて歩く楽しさを思い出されると思いますが、ここでは高尾山の豊かな自然がはぐくむ不思議な氷の華のことです。その名もシモバシラと言うシソ科の草があります。草丈30cm〜80cm程度の植物で、夏~秋に白い小さな花を咲かせて、冬に枯れてしまいますが、この枯れた茎に入り込んだ水分が凍り、氷のリボンのように発達します。他のしそ科・キク科の植物でも見ることができるので、よく冷え込んだ早朝には近くの公園でもたまに見ることができます。しかし、市中より気温が低い高尾山周辺では12月末から1月上旬まで見事なしもばしら(氷の華)を見ることができます。今年この不思議な現象と出会いに高尾山に登りませんか。
おすすめのコース
高尾山口駅-稲荷山コース経由で高尾山の頂上(日差しもあり、冬のハイクにおすすめ)-もみじ台手前の5号路との合流点-北側の巻道(しもばしらが良く観察される地点)一丁平(トイレあり)-小仏山
※下山は千木良に出て、バス(1時間に1本程度要時間確認)もしくは徒歩で相模湖駅に出ると日当たりの良い尾根で冬のハイクとしては快適でしょう。もしくは、一丁平付近から往路を戻り、高尾山口駅にある温泉に入って帰宅するのもおすすめです。
【コースの特徴】
案内やトイレが随所にあり、地図で現在位置を確認しながら歩くと冬のハイキングを楽しむのに最適の山です。標識がありますが、巻道や作業道もあるのでよく確認しましょう。朝方は凍てついた道なので、積雪がなくともチェーンスパイクなどを持参しましょう。また、気温が上昇すると道が泥ねい状態となるので、ズボンのすそ汚れ防止にゲイターの持参を強くお勧めします。
安全登山のすすめ
先月冬のハイキングの楽しみとウエアリングを中心に登山の安全についてお伝えしました。
今月も引き続き冬の山の安全についてお伝えします。
12月に入ると各所から雪の便りが届き始めます。雪国の山はいうに及ばす、平地の積雪がほぼ観測されない地方でも、山では雪が積もり、登山道は凍結するので備えが必要になります。本格的な雪山(積雪が膝以上になって、1日中気温は氷点下を指す)でなければ、夏の登山装備に保温・防風を強化するとよいでしょう。強化するアイテムは帽子・手袋・ストック・チェーンスパイクもしくは6本爪アイゼンが代表的でしょう。それぞれ必要な条件を示しますので、準備の参考にしてください。
ストックは夏に使用していたストックに積雪期用のリングを用意しましょう。近年は夏用ストックリングと冬用を簡単に取り換えることができるモデルもあります。
これはよくされる質問「冬寒いので厚めの靴下をはいて山に行けばよいですか?」
→答えはNOです。
足が締め付けられて血行が悪くなり、かえって冷たくなります。条件が整えば凍傷になりますからやめましょう。ハイキング用のシューズも防水性が高く、短時間の雪山ハイクであれば「やっぱり足冷たいね」で済みますが長時間は危険です。少なくとも3シーズンに使えるトレッキングブーツで雪山ハイクを楽しみましょう。
冬の山はハイキング・本格雪山を問わず備えが大切
夏もそうですが、冬はその重要度が高まります。雪国の方は冬になると普段の生活から厳しい冬を乗り切る準備をします。屋根の雪下ろしに備えて梯子を設置する。雪に窓ガラスが破られないように雪囲いをする。玄関には除雪のスコップなど。
筆者は富山で生活していましたが、冬は4時に起きて、除雪をして出勤。出勤すれば会社の周りの除雪。家に帰れば除雪をしないと玄関に入ることができない。雪国では毎日がこの繰り返しで日頃の備えなしに冬を乗り切ることができません。
雪の少ない地方もうかうかできません。もう十年になりますか、甲府を中心に関東平野が降雪に見舞われて、たいそう苦労した年がありました。
山ではこの気象の影響が顕著で、思わぬ降雪で行動が遅くなる・高い山では行動不能など、不測の事態は発生しやすいところです。雪山に向かう際にはビーコン・プローブ・スコップのアバランチギアの備えは勿論のこと、雪山ハイクであってもツエルト・予備食など備えて楽しく登山をしましょう。
石井スポーツでは現在まさかの備えとしてココヘリサービスの普及に努めております。万全の備えでご家族・友人にも心を配った美しい登山をしたいものですね。
おすすめのアイテム