伯母子岳の頂上からはるか南の熊野本宮大社に続く山々を望む
おすすめの山 伯母子岳(おばこだけ) 1344m
今月は伯母子岳を紹介しましょう。日本二百名山の一つに数えられる伯母子岳は、東に大峰の峰々、西に和歌山県最高峰の護摩壇山、北に高野山、南には熊野本宮大社とつづく山々と、紀伊山地の中心部に位置する奥深い山です。
頂上からの眺めはすこぶる良く、先に紹介した山々をぐるりと一望できます。熊野古道の一つ小辺路(こへち)が通り、山麓には流浪の武将、平維盛終焉の地があります。今年、歴史と伝承に彩られた伯母子岳に登りませんか。
おすすめのコース
①大股登山口から檜峠経由で頂上(3時間)小辺路の一部
②三田谷から上西旅籠跡経由で頂上(4時間)小辺路の一部
③奥千丈林道経由遊歩道入り口から頂上(2時間30分)高低差が一番少ない
登山をする際の留意点
伯母子岳は登山口までの交通路に頭を悩ませることになります。公共交通機関は日に1・2本で利便性が悪く、車で行く場合はカーブの多い難路で、災害による閉鎖も多いので事前調査は必須です。この不便さが伯母子岳の神秘性を保ち、頂上に至ったときの満足につながると考えると、いつまでも不便であっていいのかもしれません。
唯一、昔ながらに小辺路をたどるのが一番交通の便が良く、素晴らしい登山となるでしょう。
6月の安全登山の知識
<雨を楽しむ登山術>
今年は早くも梅雨入り宣言が出た地域もありますね。雨と言えばついつい山に行くのも及び腰ですが、雨の多い時期だからこそ楽しめる自然もあります。
雨具・ザックの防水・雨の備えを万全にして、登山を楽しみましょう。
これで完璧 雨に負けない防水対策
①個々に防水バックに入れる。(個別保護)
②ザックの防水インナーで内部全体を保護(内部保護)
③ザックのレインカバーで耐水性を向上させる。(全体保護)
防水スタッフサック(エアーの抜けるタイプ)
インナー防水パック(60ℓから40ℓ)
雨季の登山は下山後の備えも大切
軽量サンダルと着替えを持っていきましょう。下山後に温泉に寄ることのできるコースをあらかじめ計画するといいですね。
こんな時期だからこそ、帰りも快適にしましょう。
そして活躍するのがコンパクトに収まる手提げバックとビニールのゴミ袋です。ゴミ袋に入れるだけではザックに収まりにくいですね。
トレッキングシューズや濡れた雨具・着替えを手提げバッグに収納して、楽しく家路につきましょう。
登山用具の確認と準備
先月も書きましたが、これからのレインシーズンに備えて雨具や登山靴の状態を確認しましょう。
雨具の確認ポイントは撥水性です。浴室でハンガーにかけてシャワーを当てて水滴がコロコロ弾くようであれば大丈夫ですが、弾きが悪いようであれば撥水処理をして梅雨の季節に備えましょう。
全体的に撥水性が低下している場合はそろそろ買い替え時期です。
登山靴は普段からインソールを抜いて湿気が残らないように保管するとともに、インソールそのものが消耗していないか確認しましょう。
ソールの減りも同時に確認して、夏のシーズンまでにリペアをするのがお勧めです。
濡れた登山道は滑りやすく、磨り減ったソールでは危険です。近年、濡れた山道に強いメガグリップソールを採用した靴が増えています。
買い換えるのであれば、履き慣らしも必要なので本格夏山シーズン前のこの時期が一番です。
「用意周到な準備で安全登山」皆様がすばらしい登山をされる事を石井スポーツスタッフ一同願っております。